ベルカ吠えないのか?

イヌよ、イヌよ、おまえたちはどこにいる?

先週の一冊は、古川日出男著の
ベルカ吠えないのか?

印象的なタイトルがずっと気になってた。
同様に、ぶっちゃけ表紙カバーのフォトの方がずっといいのだが
イヌの物語、イヌの一族の物語なので、
敢えて、たまご家ローカルな写真を選択することにする。

うぉん、うぉん。

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◆◇◆◇◆◇◆◇

20世紀は戦争の世紀だった。
実は多くの近代的軍用犬が初めて本格投入されたのが
第一次世界大戦であり、5万頭近いジャーマン・シェパードが
活躍したといわれている。

朝鮮半島で、ベトナムで、アフガンで。
イヌ達は森を、砂漠を、あるときは地中に掘られたトンネルを
自らに課せられた使命に従い、昼夜を問わず、這い進み、戦い、そして死んだ。

冷戦時代、米ソの宇宙開発競争が加熱するさなか。
初めて宇宙に飛び立った者は誰だったか?
アメリカ人でもロシア人でもない、それは犬だった。

そう、20世紀は戦争の世紀であると同時に、イヌ達の世紀でもあったのだ。

その物語は、第二次世界大戦の初頭。
北極に近いキスカ島に、4匹の日本軍のイヌ達が取り残されるところから始まる。
奇跡が重なって生きながらえた彼らの血を引くイヌ達が
どのようにして激動の20世紀を生き抜いてきたか。

裏表紙のあらすじを読んだら、ちょっと退屈そうだったのだけど
私の狭苦しい想像力の中にとどまっているわけがありません。
歴史モノのようでもあり、ミステリーのような。
いや、もはや神話だろ、これ?

生キル・・・生キル!
死ヌモノカ!

ややこしい希望とか夢に溢れた作品ではないんだ。
ただ、なんとも言えぬ、生への渇望、生きる事のエネルギーに満ちている。
それと、イヌ達への敬意と愛に。

あとがきで、筆者自身が「爆弾を作りたかった」と述べたように
「うしとら」の藤田和日朗の絵のようにパワーのある文章だった。
惜しみ無い喝采を送りたいと思う。

うぉん、うぉん。

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