前回の続き
ガルルルゥン!! ダダダダ・・・・
砂煙を巻き上げながら、峠の偵察へ向かったアキラが戻ってきた。
この、今ではすっかり珍しくなった2本のタイヤを使用した乗り物は「オートバイ」だ。
ここのように、段差の大きい不整地においては、安定したホバリング推力が得にくいエアーバイクよりも走破性に優れており、軽量で小回りも利く。
「状況はどうだ、アキラ?」
「ダメです、途中まで未舗装の道が続いていたものの、この先に降りることは出来ませんっ!」
◆◆◆◆◆
GSX-R号がいかに小型機であるとはいえ、そこはやはり宇宙船だ。
さすがに深い谷間には着陸することができない。
どうやらここから先は、徒歩で約750mの登山道を行軍することになりそうだ。
それにしてもこの吹きさらしの峠は激しい電磁嵐が吹き荒れていた。
気圧は817mbarと地球の嵐並み、気温はたった15℃程度しかなく、UNSA支給の活動服は常にウインドシールドモードを最強に設定しなくてはならないほどだ。
ケーン!(ケーン、ケーン、ケーン)
リョウコー!(リョウコー、リョウコー、リョウコー)
一体、みんなどこへ消えてしまったんだ?
◆◆◆◆◆
この谷を降りた先にあるはずの小串鉱山、じゃなかったキャンプオグシを目指し、歩みを進めると、また、あのロボットが見えた。
この個体も、もう動いてはいないが、両肩に残るワイヤーのように細く長い腕は力なく落ち、まるで誰かの帰りを待っているかのように寂しげだった。
地球の熊笹に似た低丈植物が植生する斜面を降りていくとやがて、明らかに人の手によって切り開かれた広い土地が姿を現した。
やはり人の姿は見えないが、手前に見えるのは、人口建造物か?
◆◆◆◆◆
上空から見えた建造物は古代の地球の祠のような姿をしている。
傍らに聳え立つ巨大なモノリスは依然黒い太陽のような輝きを放っており、あたりに全く人の気配がないのが信じられないほどだ。
祠の内部へ潜入すると、そこには何冊ものノートが置かれていた。
果たして我々が置かれた状況がいかなるものなのか?
それを知るには、このノートをめくらないわけにはいかないだろう。
たとえ、どのような真実が待ち受けていたとしても。
艦長・・・?
意を決してノートをめくったケビン艦長は顔を強張らせたまま微動だにしない。
怪訝に思ったケイシーが近寄る。
「来るな!来るんじゃない!」
その様子は、あの冷静沈着な普段の艦長の姿からは想像も出来ないほど、落ち着きを失っている。
が、ノートを見るまでもなく、その理由をすぐに僕たちも知ることになる。
というのも、その場にいた全員が、壁面に貼られていた一葉のフォトに気がついてしまったのだ。
これは・・・見覚えがある・・・。
そうだ、ケンからのメールで見たキャンプオグシの姿そのものではないか!
同じくして地図と思われる壁画も発見された。
な・・・昭和38年・・・だとっ?!
※この写真だけ横2400pxまで拡大
やはり、あの時、抱いた不安は間違いではなかったのだ。
ここは地球から265km万光年離れた惑星グンマーのキャンプオグシ。
ただし、僕たちの知っている世界から1600年もの年月が経過している世界、のだ。
記録に誤りがなければ、この石碑が作られたのは、僕らが地球を旅立ってから1000年後。
即ち今から600年も前ということになる。
この衝撃の事実に直面し、もはや言葉を発することが出来るものは誰一人としてなかった・・・。
茶番劇はふたたび続きます。
【目次】
約束の地 グンマー (予告編)
約束の地 グンマー (前編)
約束の地 グンマー (中編)
約束の地 グンマー (後編)










コメント
中編「オグシよ 永遠に」。ありがとうございました。
宇宙歴ショーワ38年とは、ワタシとご縁のある時代背景ですね。
>tkjさん
連載が始まりはや一年の月日が経ちましたが、お付き合い頂きありがとうございます。
「永遠」と書いて「とわ」と読む。
「敵」と書いて「とも」と読む北斗の拳のような硬派っぷりですね。
S38はtkjさんとご縁がありましたか!
流石、未来からのタイムスリッパーですね。
たまごさん!ケビンやケーシー、アキラとかは普段どこで飼っているんですか?
結構やんちゃな気がするので、世話が大変そうです(^_^;)
>trashさん
ケケケ、ケビンやKCやケニーは、あくまでも、原作のレイ・リッチモンド先生の作品に出てきた人達ですからっ。
なんだかずいぶんと威勢が良さそうな名前ですけど、たまたまなんで何も関係ないんですっ(><)
ケンまで加わってみんなKだなとか、アキラって誰だよって突っ込みはナシです。