コウバイノハナ

道尾秀介先生の「光媒の花」を読みました。


道尾先生といえば、押しも押されぬ人気サスペンスホラー作家。
前に読んだ「ひまわりの咲かない夏」は、その卓越した表現と構成に舌を巻きつつも
それ以上に終始気味が悪くて後味の悪いのが気になってしまった作品だったのですが
この作品はとてもよかったです。

6つの連作からなる群像劇ですが、前半後半で雰囲気はちょっと違って
前半は特に暗くて、罪と性と独白という感じで終始悶々としてるのに対して
後半は読後感のよい家族の関係がテーマの話。

で、特に前半が好きでした。

誰しもが恐らく人に言えない醜い部分を隠し持っていて
実は自分は変態で異常なんじゃないだろうか・・・?
なんて、特に思春期の頃は思ったことがあると思う。
大きなことから小さなことまで、特にエロいこととか。
さすがに殺人みたいな極端な例は別だけど。

「悪の華」の仲村サンじゃないけど、そういう人間の内側のドロドロしたものが
めいいっぱいぐわーってぶちまけて描かれているのがいい。
かさぶたを剥がしたい衝動みたいのと同じで
だめだと思いつつも、引き出しの奥にしまわれた感情を
グリグリ掘り返されるのがたまらなくなるのだ。

思えば、そういう作品好きだよなあ。
作品の本筋とか、テーマとは全然違うのかもしれないけどね・・・。

コメント

タイトルとURLをコピーしました